どうやらスニーカーを履いて外を歩けるようだ。明日からスニーカーにしよう。新調したニューバランスのスニーカーだ。シューフィッターの裕子さんもお勧めのメーカーで、実際、履き心地は抜群だ。少し値が張るだけある。Aさんも若い女の子らしいスニーカーを購入したばかりだ。偶然にもニューバランスだ。「履き間違わないでくださいね」と彼女から冗談が飛ぶ。Aさんもだいぶまけまけに馴染んできたようだ。Aさんはよく歩く人で、しかも早足だ。地下鉄一区間なら、乗降車の待ち時間や、地下鉄駅まで歩く時間など、もたついているうちに、歩いて追い越してしまう速さだ。俊足とはまさに彼女の足を言う。今のところ天候に恵まれているが、これから雨が強い日など歩くコンディションが悪い日もあることだろう。そんな日は、百円ショップのレインコートを買いますと前向きな対策を考えている。運動らしいことは一切しない自分も、そんな彼女を見習いたいが、つい地下鉄に頼ってしまう。何せ歩けば15分以上かかる距離を地下鉄では1分ばかりで着いてしまう。どこへ行くにも地下鉄ばかりで、バスや市電は滅多に利用しない。市電がすすきのと大通りでループ化されてから一度も利用したことがないぐらいだ。わざわざバスに乗り継いでまで遠出する理由も見当たらない。休日に出かけることはあっても、いつも同じ場所ばかりで終わってしまう。札幌に20年以上暮らすが中央区と北区での移動がほとんどで、母と妹一家が暮らす清田区にたまに顔を出すくらいだ。こういうのを「出不精」というのだろう。まけまけでは、この春、札幌ファクトリー近くの旧永山邸へ散策にいく。和洋折衷の建物は市民の憩いの場となっている。モダンなカフェは人気のスポットで、お忍びデートにぴったりだ。Nさん、最近スマホの勉強をして格闘しているが、カメラ機能に驚いたようだ。「今まで病気の人としか記念撮影したことがないんだよね」と予期せぬ発言をしたが、障害を負って生きることの孤独感が滲み出ていて少し哀しかった。
イガチョフ