2月の寒さの厳しさは札幌雪祭りの時がピークだ。寒さが身体を刺すようで、会場には5分といられない。こんな過酷な祭りのどこが楽しいかわからない。昨日は、今季一番の冷え込みとなった。家を空けるので日中といえども、水道管の凍結の恐れがある。念のため水を落としてから家を出ることにした。今日は、新しいメンバーが増えるということで楽しみにしていた。以前精神科デイケアで一緒だったSさんという女性だ。彼女は底抜けに明るい性格で冗談を連発する。その周囲は笑いが絶えない。住まいが遠いため、朝早く家を出なくてはならない。それでもまけまけを求めて通所を決めたのだった。「北34条駅に着きました。トイレによってから向うので遅れるかもしれません」という電話がSさんから入った。足元が悪いのでゆっくり来て下さいとスタッフが応える。Sさんが到着するまでの間に、もう一人男性が見学にみえた。この男性も地下鉄を乗り継いで遠方より来所された。スタッフによる施設の説明を受けた男性は、どうやら就労を目的とした施設を探しているようだった。あくまでまけまけは就労の前段階の施設であり、自分の癖を知り修正する場である。男性の意向とは少しずれがあったようだが、自立訓練事業所の活動に興味を抱いてくれた。男性と入れ替わりでSさんが到着した。電話連絡が入ってから30分経っていたので随分気をもんだが、相変わらずの笑顔で現れたので安心した。女性が1名増えるだけで花が咲く。なんだかいい香りに包まれるようだ。先日にも、うら若い女の子が体験を兼ねて授業に参加してくれた。大人が多い中に飛び込むには勇気がいるだろう。朝のホームルームで日直だったので、「温かく見守ってあげましょう」と一言その女の子に声をかけてあげた。彼女がまけまけの時間を最大限に活用できるように応援したい。きっと当たり前の青春を謳歌できるようになるだろう。時間が解決してくれるはずだ。相乗効果でみんなが笑顔になっていく。笑い転げて涙を流せれば、何の問題もない。
イガチョフ