部屋の整理をしようと思い立っても、どこから手をつけていいかわからない。右から左へものを移動することを片づけとは言わない。広い家ならますますものは増えていく一方だ。一部屋を物置部屋につぶしてしまう家庭が多いだろう。収納スペースを設けて整理したところで解決には至らない。一体人間が生活するのにどれぐらいのものが必要なのだろうか。ものに囲まれていると安心感を抱く人もいるかもしれない。ゴミ屋敷なんか、周りには迷惑かもしれないが、当人にとってあれはあれで落ち着くのだろう。中途半端にお金を持っているから、ものを買い込んでしまう。ものが溢れる時代である。企業は魅力的な商品を開発する。それをテレビCMで繰り返しアピールする。消費者の購買意欲はとどまるところを知らない。「断捨離」がはやり言葉になったときもある。部屋が整理されれば心の健康にも繋がる。余計なものを手放すことで得られるメリットは大きい。ゴミのようなものでも所有者にとっては大切なものかもしれない。結局ものはゴミになる運命だ。お金を出してゴミを買っているに等しい。何も持たずにこの世に生を受け、何も持たずに死んでいく。生きるとはなんて無駄が多いのだろう。決意新たにものを捨てるときが必要だ。今日は燃やせるゴミの収集日なので、10リットルのゴミ袋に不要な衣類をまとめてみた。よれよれのTシャツやサイズの合わないカラーシャツではあるが愛着があり、まだ着られそうだなと未練が湧く。そんなことを言っていれば何も捨てられないし、衣類はまだまだワードロープや箪笥に山ほど収納されている。何でまたこんなに買ったのだろうと首を傾げたくなるが、買ってしまったものは仕様がない。これではお笑いファッションショーだ。対策として、これ以上買わないことだ。もし買うとしても、それと入れ替わりで古い衣類は捨てることにしよう。これから計画的にものを捨てていこうと思う。ものを大事にすることで、抱えきれないほどの数のものに苦しめられるのは本末転倒だ。
イガチョフ