「続けていく」ために考えたい5つのこと
仕事や通所を続けるために必要なことは、作業の力だけではありません
・1日ならできるけれど、何日か続くと疲れてしまう。
・今は生活できているけれど、家族や支援者の助けがなくなると少し不安。
・困った時に、自分から相談することが難しい。
そんな時は、「どこに通うか」を決める前に、今の自分を5つの視点から考えてみると、必要なことが少し見えやすくなります。
「できるか」だけではなく、「どうすれば続けられるか」を考えるための5つの視点です。
①からだは無理なく続けられそう?
一日できることと、それを何日も続けられることは同じではありません。 体力、疲れやすさ、移動、感覚の負担、持病なども、生活や仕事を続けることに関係します。 たとえば「1日3時間なら活動できる。でも3日続くと、次の日は起きられない」 そんな時は、「できたか」だけでなく、続けた時にどのくらい負担になるかも大切な視点です。
②自分の特徴や、調子を崩しやすい時を知っている?
人によって、負担になりやすいことは違います。 予定の変更、人の多さ、失敗、疲れ、音や刺激、人間関係などが重なることで、少しずつ調子を崩すこともあります。 たとえば「予定が急に変わると、その場では大丈夫でも、夜になるとイライラして眠れなくなる」 何が負担になるのか、どんな変化が出るのか、どうすると戻りやすいのか。自分の“崩れ始め”を知ることも、続けるための大切な力です。
③毎日の生活や、人との関わりを続けられそう?
朝起きる、食事をする、時間に間に合う。 それだけでなく、困った時に相談することや、人と必要なやり取りをすることも、生活を続けることにつながります。 たとえば「毎朝9時には起きている。でも、家族が毎朝声をかけてくれている」周りの助けがあることは悪いことではありません。 大切なのは、自分だけでできていることと、誰かの助けがあることでできていることを知ることです。
④どんな仕事や作業なら力を発揮できそう?
「仕事ができるか、できないか」だけで考える必要はありません。 たとえば「決まった手順の作業は丁寧にできる。でも、一度にいくつもの指示を受けると混乱する」ということがあります。 指示の分かりやすさ、正確さ、速さ、集中の続き方、得意・不得意などは人によって違います。 どんな仕事や方法なら、自分の力を発揮しやすいのかを知ることが大切です。
⑤どんな環境や助けがあるとうまくいきそう?
できることは、本人の力だけで決まるわけではありません。 場所や人、指示の方法、周りからの助けによって、できることが変わることがあります。 たとえば 「静かな場所なら集中できる」 「一度に一つずつ説明されると分かりやすい」 「困った時に相談できる人が決まっていると安心できる」 自分に何が足りないかだけではなく、どんな環境なら自分は力を発揮しやすいか。 それを知ることも大切です。
このようなことで、悩んでいませんか?
実際にAさんを5つの視点で考えてみる
たとえば、B型で週4日通いたいと考えているAさんは、決まった作業なら丁寧に取り組むことができます。
一日3時間程度の作業なら問題ありません。一見すると、「B型でも十分やっていけそう」に見えます。
でも、5つの視点から見ると、少し違ったことも見えてきます。
①からだは続けられそう?
1日だけなら問題なく活動できます。
でも、3日続けて外出すると疲れが強くなり、次の日は起きられないことがあります。
「その日できる」ことと、「何日も続けられる」ことには違いがあります。
③ 毎日の生活や、人との関わりは続けられそう?
毎朝9時には起きています。
でも実際には、家族が毎朝声をかけています。
また、困ったことがあっても自分から相談せず、限界になると突然休んでしまうことがあります。
今できている生活が、どんな助けや環境によって保たれているのかを見ることも大切です。
②自分の特徴や、調子を崩しやすい時を知っている?
予定が急に変わると焦りやすく、その日の夜に眠れなくなることがあります。
ただ本人は、予定変更と体調の変化がつながっていることには、まだ気づいていません。
自分が何に負担を感じ、どんな時に調子を崩しやすいかを知ることも大切です。
④ どんな仕事なら力を発揮できそう?
決まった手順の作業なら、丁寧に続けることができます。一方で、一度にいくつもの指示を受けると混乱します。
仕事ができるかどうかではなく、どんな仕事や方法なら力を発揮しやすいかを考えます。
⑤ どんな環境や助けがあるとうまくいきそう?
静かな場所で、一度に一つずつ説明されると安定して作業できます。
困った時に相談できる人が決まっていることも安心につながります。
反対に、人の出入りが多く、急に仕事が変わる環境では混乱しやすくなります。
本人の力だけでなく、環境との組み合わせによっても、できることは変わります。
|「できる」だけでは見えないことがあります
Aさんは、作業だけを見ると十分に取り組むことができます。でも5つの視点から見ると、
体力や疲れ、予定変更への対応、家族の助け、相談することの難しさ、環境との相性なども見えてきます。
大切なのは、すべてを一人でできるようになることではありません。自分でできること、身につけたいこと、周囲に頼ること、環境を整えることを組み合わせながら、「続けられる形」を考えていくことです。
では、この5つに対して、自立訓練・B型・A型・デイケアでは、支援の届き方がどう違うのか?
同じ困りごとでも、支え方は少しずつ違います
生活リズム、疲れやすさ、人との関わり、ストレスへの対処など。
こうしたことは、自立訓練、B型、A型、精神科デイケアのどこでも相談したり、支援を受けたりすることができます。
ただし、同じ困りごとでも、どの部分を中心に支えるかは少しずつ違います。
大切なのは、どのサービスを選ぶかだけではなく、「今、自分は何を整えたいのか」を考えることです。
生活を整えたいのか。
働く経験を重ねたいのか。
実際に雇用されて働きたいのか。
症状や治療との関係から生活を安定させたいのか。
何を大切にしたいかによって、考えられる選択肢も変わります。
また、一つのサービスだけですべてを支える必要もありません。

生活そのものを試しながら整えていく
生活リズム、人との関わり、自己理解、ストレスへの対処などを、日々の生活や活動と結びつけて振り返ります。
「今はできているけれど、環境が変わっても続けられそうか」
そんな部分を実際に試しながら、自分の方法を見つけていきます。





